HDE BLOG

コードもサーバも、雲の上

セブ島で学んだopen mindの精神

初めまして、HDE2015年度新卒入社、”日本人”の土居です。

多国籍新入社員

僕にとってのいわゆる新卒の同期*1は、今のところ11月入社で台湾人のSunnyさん、12月入社でベトナム人のAnさん、同じ4月入社でマレーシア人のShi hanさんの3人なので、新入社員*2の中では僕が唯一の日本人になります。これは去年あたりから国籍を問わない採用を進めているHDEならではの状況です。現在も以前から行っているHDE Global Internship Programに加えて、「海外出張カバン持ちインターンシップ」というユニークでグローバルなインターンシップが動き始めている最中です。

セブ送り

グローバル化に伴って、社内での英語によるコミュニケーションは今後必須ということもあり、HDEには通称「セブ送り*3」と呼ばれる語学研修制度があります。今回、僕がその対象となり、入社前の2/15から3/14までの4週間、フィリピンのセブにあるQQ Englishという学校で英語会話のトレーニングを受けてきました。先月のMTSで、セブ島で学んできたことを発表させていただいたのですが、そこで発表した内容をブログにも書くことになりました。

Offline QQ English

Skypeを使ったOnline QQ Englishに対して、現地に行って先生とマンツーマンの授業を受けられるのが、今回のセブ送り先であるOffline QQ Englishです。現地は、ちょうど乾季だったので、1ヶ月の間ほとんど雨が降らず、大変過ごしやすい天候でした。

学校は、セブのITパークという綺麗なオフィス街にあります。

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そこで8つのレギュラークラス*4と2つのナイトクラスの計10クラスの授業を毎日受講しました。

ナイトクラスの内容

夜のナイトクラスは自由参加のグループクラスになっていて、そこではプレゼンテーションやディベート、動画に対する感想や意見を述べるなどといったことを行います。このグループクラスでは、マンツーマンのクラスとは違って、リスニング能力に長けた先生ではなく、英語を勉強中の同じ生徒に対して詳しい説明をしたり、生徒同士でコミュニケーションを取る必要がありました。また、ディスカッションのテーマとして、各国の食、文化、習慣の紹介などの他に、人生、死、結婚、幸せ、ジレンマなど、日本語でも上手く言語化できないような話題も用いられました。

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Why? Why? Why?

このナイトクラスでは基本的に、先生の進行の元で、生徒が順番に自分の考えを発表していきます。上述の通り、時にいまいち説明しにくい話題を扱うため、英語を話すことに不慣れな人ほど詳しい説明を最初から諦めてしまいます。しかし、そんな時ほど先生はここぞとばかりに”Why?”を投げかけてきます。これが個人的に凄く良い訓練になりました。

例えば、「もし、5感のいずれか1つを失うならばどれを選ぶ?」という質問に対して、「味覚だ」と答えると、必ずその理由を問われます。曖昧な理由を答えると、もっと詳しく!例えば?という感じでとにかく自分の意見をはっきり説明するように促されます。

グループディスカッションの中で学んだopen mind

このWhy? -> because...の繰り返しは、非常に良い英会話の訓練になると共に、上記のような答えのない問い対する考えを、先生と生徒同士で共有する機会にもなります。人の哲学や人生観を聞くということは、相互理解の中でもとても深いコミュニケーションです。一方で、非常に繊細な部分であり、往往にして相反する意見がぶつかり合う部分でもあります。これを国籍も文化も違うグループで行うのに必要だったものがopen mindの精神でした。

自分の意見と相手の意見の両方を大切にする

open mind、すなわち相手の意見を受け入れることができる精神性をクラス内に醸成していたのが、クラスを担当している先生方でした。生徒同士の活発な意見交換ができていたのは、クラスを仕切る先生がopen mindの精神を発揮していたためでした。どの先生も、よく笑い、元気が良く、非常にポジティブであり、年齢に関わらず自分の考え、人生観をしっかりと持っていました。

その上で、自分とは全く異なる考えを受け入れ、理解するだけの精神性を持っていました。単に同意したり、異なる意見に迎合するのとは違います。常に「そのことについて、私はこう思うけれど、あなたは異なる考えを持っているのですね。」といった感じで、自分の考えも相手の考えも大事にしていたことで、相互理解に繋がる深いコミュニケーションが成立していたように思います。

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一週間で親友になる

生徒の中には一週間だけナイトクラスに参加して去って行く人もいます。そんな人とも、あっと言う間に相互理解が深まったのは、1日1時間程度のコミュニケーションの中で、自分の考え方を言葉を尽くして表明し合ったからでした。相手がどんな風に考えながら生き、自分の考えが相手に伝わっていると分かれば、それ以降は多少言葉足らずでも、より良いコミュニケーションを取ることができるようになりました。未熟な英語同士での会話では、特に注意して相手の言葉に耳を傾け、理解する必要がありました。そのことがむしろ相手の言葉を一旦自分の中で咀嚼する良い機会になっていたのかもしれません。

そもそも英語を使って何をするんだっけ?

日本ではあまり感じたことがなかった「はっきりと意見を述べる態度」には本当に驚かされっぱなしでした。自分と同じ年か、ずっと年下の人が、言語化可能な人生観に従って自分の意見を堂々と表明し、かつ相手の意見を受け入れるだけの精神性を兼ね備えていました。もちろん、世界中の誰もがそうであるとは限らないと思いますし、はっきりと言わない美徳は確かにあると思います。ただ、異なるものを受け入れることができるopen mindの精神性と共に、言葉を尽くして互いを表明し合うことができれば、少なくとも異なる文化、意見、哲学をより良く理解する機会が得られると感じています。セブ島には英語を学びに行きましたが、そもそも英語を使って何をするんだっけ?というところを学んで帰ってくることができたことは、自分にとって大きな収穫であったように思います。

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完璧な英語じゃなくて良い!

そもそも英語が得意なわけでもないのに難しい質問に英語で答えるのは、凄くハードルが高いように感じてしまいますが、ナイトクラスのもう一つのポイントは完璧な英語じゃなくて良いということでした。先生は間違えても良いからトライしてみようと促してくれますし、めちゃくちゃな英語でも一所懸命聞いてくれる人にはどうにかこうにか伝わります。何より、完璧な英語じゃなくても良いという実感が得られてからは、自分の中で英会話の敷居が一つ下がったように思います。「場数を踏めば上達する」が真であるならば、相互理解を目的にまずはトライしてみる、というのはどうでしょうか。;-)

*1:HDEのFY(Fiscal Year)は10月からということをベースに考えた場合

*2:と言っても、そもそも海外では日本のような新卒や同期という概念がないそうです

*3:「セブ島流し」とも

*4:6つのマンツーマンのクラスと、2つのグループクラス