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コードもサーバも、雲の上

第24回 Monthly Technical Session (MTS) レポート

7/22に第24回 Monthly Technical Session (MTS)が行われました。 MTSは、主に技術的な興味関心、また現在行っていることから得られた知見を共有するための取り組みで、司会進行から質疑応答まで全編通して英語で行われる社内勉強会です。

今回の司会はjonasさんでした。また、当日はijinさんが飛び入り参加で各LTのQ&Aにも参加いただきました。

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トップバッターの楠本さんは、学生時代に南極で行った研究について紹介してくれました。 現地では南極の大気の情報集めるバルーンと連携して、情報をストレージに溜め込む装置のソフトウェアをメンテナンスしていたそうです。 Q&Aでは、バルーンの回収はどうするのかとの問いに対して、気流に乗って漂うだけで、最後はどこかに落ちる仕様との回答に、一同驚きの様子でした。

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2番手の林さんは、開発バージョンで発生したメモリリークの原因を突き止めるために使用したpythonのツール群 (memory_profiler, Pympler, gc) をデモを交えつつ紹介してくれました。環境の制約によっては各ツールが有効でない場合もあるので、状況や目的に応じて使い分ける必要があります。

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前半のセッションの最後は田邊さん。サーバレスアーキテクチャで実現した監視システムについて。CloudWatch Eventsを契機にAPI Gateway, lambda, SES, SNS, CloudWatch Metricsなどが連携して、閾値を超えた監視項目がslackへ通知される実例を示してくれました。 これによって"誰が監視システムを監視するのか問題"を解消しつつ*1、lambdaによる自由なシステム監視とそのメトリクス可視化という大きなメリットが得られました。

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休憩を挟んで4番手は牧さん。"kubernetes in 20 minutes"というタイトルで、k8sの知見を共有してくれました。k8sとは何か、またk8sに触れるに当たって理解しておく必要があるCluster, Node, Pod, Replica Set, Deployment, Services, Secrets, ConfigMaps, Ingress, DaemonSets, PetSetsなどの概念がどのような役割でお互いどのような関係を持つのかをわかりやすく解説してくれました。アップデートの激しさも相まって、便利だけれども一筋縄ではいかない難しさがあるようです。

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5番手は先月からGIPインターン中のTze-Chenさん。現在大学の研究で使っているHadoopについて。Googleが発表した2つの論文 ( The Google File System , MapReduce: Simplified Data Processing on Large Clusters) によって明らかになったHadoopがどのような目的で作られたのか、facebookが管理する世界最大規模のHadoopクラスタや、MapReduceの仕組みなど、Hadoopの概要を説明してくれました。

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ラストは同じくGIPインターン中のRizkiさんが様々な暗号化手法について。暗号化手法別の分類と歴史的な分類の二つのアプローチで各手法がどのような経緯と特徴を持つのかを解説してくれました。また、実例としてエニグマ暗号機を紹介してくれました。

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発表の後はAfter-Party!! MTSはエンジニア同士の知見共有の場として開かれていますが、このAfter-PartyもまたGIPインターンも含めた社内の誰でも参加可能な交流の場として開かれています。

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ちなみに、この日はPokemon Goのリリース日だったので、会場は完全にPokemon Go試遊会と化していました。

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*1:それでもなお"誰がAWSを監視するのか問題"があるにせよ!